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保・幼部会研修会を開催しました
講師:八尾 由江(ゆうこ) さん
(一般社団法人am*am代表理事、おひさまにこにこクリニック)
演題:「そうじゃないかもしれない…」~耳を凝らし 目を澄ませば~
子どもたちの人を困らせる行動の背景には、本当に伝えたい事があるかもしれない。「もしかしたら違うかもしれない」という視点をもって接することの重要さを語っていただいた。
みんなが凸凹(でこぼこ)であり、普通は人の数だけある。違いは障がいではなく、宝であり、可能性がそこにはある。また、「できない」ということも個性のひとつで、「できない」と言える環境をつくることが大切。違いは特性でもあり、磨くと強みにもなり仕事にもつながる。

自己肯定感が低いと、自分で決定や選択ができない。逆にいえば、決定や選択ができるようになると自己肯定感も高まる。子どもに対して、じっくりと耳をかたむけ寄り添い「響感(きょうかん)する・響育(きょういく)する」ことが重要。
これからは「偏差値」ではなく、様々な個性がかがやく「変差値」の時代である。
【参加者の声】
・発達の凸凹がその子の良さだと分かりました。一人一人の個性を受け入れながら適切な環境を見つけ、自己肯定感を高めることができる支援をしたいと思います。
・体験談や例を用いて話をしてくだり、とても分かりやすい講演でした。困ることを障がいとするのではなく、生かし、強みにできる保育士になりたいと思いました。
・「できない」ということは、他の人の役に立っていることであり、「人を頼りにするというのは才能である」と理解できました。
学校部会研修会を開催しました
講師:上田和夫さん
市同教 啓発委員人権の歴史調査研究班のみなさん
演題:「今こそ語り伝えたい 証言から知る戦時中の暮らしと体験」

戦時中を生きられた方々の証言を中心に、戦争の悲惨さ、平和の大切さを語られた。
食料不足や贅沢の禁止、学校教育も戦争一色となり、音楽では軍歌のみとなった。また、徴兵で生きる自由や、勤労動員で教育も奪われた。

上田和夫さんの戦争体験の生の声は鬼気迫る語りだった。上田さんが所有していた日の丸への寄せ書きも、実物ならではの説得力があるものだった。

丹波篠山には、篠山歩兵70連隊の訓練施設があり、厳しい訓練をうけ、丹波篠山の地からも多くの人が戦地におもむいた。
今回の研修会で、戦争は過去のものではなく、身近にあるものであり自分事として学べた。
【参加者の声】
・戦争について、どこか遠いところの話のように思ってしまっているところがあったのですが、この篠山にも訓練場があったり、実際に兵隊さんとして家族を送り出した人がいたことを改めて知りました。生の声を聞くことができてよかったです。
・生の声を聞かせていただき、とても心が揺さぶられました。教育勅語をはじめ戦争の生々しさを感じ、やはり戦争は絶対に起こしてはいけないと強く思いました。
・様々な思いを抱えながら、戦時中に生活されていたことがよくわかりました。二度と同じような思いをする人は一人も出ないように、平和の大切さについて考えていかなければならないと思いました。
第2回 人権・同和教育セミナー(地域部会と共催)を開催しました。
講師:阿久澤 麻理子さん(大阪公立大学教授)
演題:「変容する現代社会の部落差別-『差別する人の研究』からその次へ」
多くのデータをもとに、現代社会がかかえる部落差別の構造をお話された。直接的に人に差別することは、現代社会において見えにくくなっているが、土地に対しての差別は根強く残っている。その背景には、被差別部落出身でなくとも、その出身土地を購入したり、住んだりするなどの「見なし差別」がある。またその土地を有する人と関わったことを理由に受ける「関連差別」も影響している。
見えにくい差別はインターネットの匿名性の中で顕在化している。「知らない」・「無関心」からくる無自覚な差別、悪意のない差別が社会の変容とともに増えている。それは差別が社会システムに組み込まれているという事を意味する。

【参加者の声】
・「人に対する差別」「土地に対する差別」で意識が違うと知り、勉強になりました。また、なぜ「土地」を避けるのか差別する側の仕組みについて理解できたのも良い学びになりました。
・「自分は違う」「関係ない」と考える、発言する無自覚な差別は自身の中にもあるかも知れないと気づく事ができた。
・学校教育で、先生が自信を持って指導することができるように、人権教育の中でも何より先に大切な部落差別問題について、歴史を学ぶだけにならないように研修を進めていく必要があると強く思いました。
みんなの人権を考える映画会を開催しました
映画『港に灯がともる』

©Minato Studio 2025
今年は阪神・淡路大震災から30年の節目であり、映画『港に灯がともる』を上映しました。
この映画は、震災を経験した親をもつ震災を知らない世代や、在日コリアン家族の苦しみや葛藤を描いた物語です。
映画監督の安達もじりさんは、舞台挨拶等で、「30年という時の流れの中で、心にしんどさを抱えた女性が、ちょっとだけ踏ん張って半歩前に進んだよ、という話です。この物語を観てくださった人が、ちょっとだけ。ちょっとだけでいいので、やさしくなれたら、やさしい世の中になったらいいなと思っています」というメッセージを発信されています。この映画をとおして「震災と人権」、「多文化共生」また「心のケア」について学ぶことができました。
【参加者の声】
・震災、あの時は毎日生きることで精一杯でした。「生きる、家族、つながる…」考え続けます。
・生きている人、それぞれに背負っているしんどさがあり、一人一人をしっかり見つめていくことの大切さを知らされました。
・いろいろ考えさせられました。知らないことも多くありました。これからも機会を見つけて、まず、知っていきたいです。

