ホーム » 研修
「研修」カテゴリーアーカイブ
学校部会研修会を開催しました
講師:上田和夫さん
市同教 啓発委員人権の歴史調査研究班のみなさん
演題:「今こそ語り伝えたい 証言から知る戦時中の暮らしと体験」
戦時中を生きられた方々の証言を中心に、戦争の悲惨さ、平和の大切さを語られた。
食料不足や贅沢の禁止、学校教育も戦争一色となり、音楽では軍歌のみとなった。また、徴兵で生きる自由や、勤労動員で教育も奪われた。
上田和夫さんの戦争体験の生の声は鬼気迫る語りだった。上田さんが所有していた日の丸への寄せ書きも、実物ならではの説得力があるものだった。
丹波篠山には、篠山歩兵70連隊の訓練施設があり、厳しい訓練をうけ、丹波篠山の地からも多くの人が戦地におもむいた。
今回の研修会で、戦争は過去のものではなく、身近にあるものであり自分事として学べた。
【参加者の声】
・戦争について、どこか遠いところの話のように思ってしまっているところがあったのですが、この篠山にも訓練場があったり、実際に兵隊さんとして家族を送り出した人がいたことを改めて知りました。生の声を聞くことができてよかったです。
・生の声を聞かせていただき、とても心が揺さぶられました。教育勅語をはじめ戦争の生々しさを感じ、やはり戦争は絶対に起こしてはいけないと強く思いました。
・様々な思いを抱えながら、戦時中に生活されていたことがよくわかりました。二度と同じような思いをする人は一人も出ないように、平和の大切さについて考えていかなければならないと思いました。
第2回 人権・同和教育セミナー(地域部会と共催)を開催しました。
講師:阿久澤 麻理子さん(大阪公立大学教授)
演題:「変容する現代社会の部落差別-『差別する人の研究』からその次へ」
多くのデータをもとに、現代社会がかかえる部落差別の構造をお話された。直接的に人に差別することは、現代社会において見えにくくなっているが、土地に対しての差別は根強く残っている。その背景には、被差別部落出身でなくとも、その出身土地を購入したり、住んだりするなどの「見なし差別」がある。またその土地を有する人と関わったことを理由に受ける「関連差別」も影響している。
見えにくい差別はインターネットの匿名性の中で顕在化している。「知らない」・「無関心」からくる無自覚な差別、悪意のない差別が社会の変容とともに増えている。それは差別が社会システムに組み込まれているという事を意味する。
【参加者の声】
・「人に対する差別」「土地に対する差別」で意識が違うと知り、勉強になりました。また、なぜ「土地」を避けるのか差別する側の仕組みについて理解できたのも良い学びになりました。
・「自分は違う」「関係ない」と考える、発言する無自覚な差別は自身の中にもあるかも知れないと気づく事ができた。
・学校教育で、先生が自信を持って指導することができるように、人権教育の中でも何より先に大切な部落差別問題について、歴史を学ぶだけにならないように研修を進めていく必要があると強く思いました。
みんなの人権を考える映画会を開催しました
映画『港に灯がともる』
©Minato Studio 2025
今年は阪神・淡路大震災から30年の節目であり、映画『港に灯がともる』を上映しました。
この映画は、震災を経験した親をもつ震災を知らない世代や、在日コリアン家族の苦しみや葛藤を描いた物語です。
映画監督の安達もじりさんは、舞台挨拶等で、「30年という時の流れの中で、心にしんどさを抱えた女性が、ちょっとだけ踏ん張って半歩前に進んだよ、という話です。この物語を観てくださった人が、ちょっとだけ。ちょっとだけでいいので、やさしくなれたら、やさしい世の中になったらいいなと思っています」というメッセージを発信されています。この映画をとおして「震災と人権」、「多文化共生」また「心のケア」について学ぶことができました。
【参加者の声】
・震災、あの時は毎日生きることで精一杯でした。「生きる、家族、つながる…」考え続けます。
・生きている人、それぞれに背負っているしんどさがあり、一人一人をしっかり見つめていくことの大切さを知らされました。
・いろいろ考えさせられました。知らないことも多くありました。これからも機会を見つけて、まず、知っていきたいです。
第1回 人権・同和教育セミナー(地域部会と共催)を開催しました。
講師:増島 智子さん(被災地NGO恊働センター)
演題:「震災と人権」-阪神・淡路大震災30年に考える
阪神・淡路大震災のボランティア活動をきっかけに被災地支援活動に取り組んできた増島智子さんに、阪神・淡路大震災から30年にあたっての思い、また、能登地震の被災地の状況や支援活動の中で気づいた課題についてお話しいただいた。被災地にボランティアとして参加し、経験されたリアリティ―あふれる話は説得力があった。特に能登半島では、ほとんど復興が進んでいない現状にある。
また、「まけないぞう(象の形をした手拭きタオル)の製作」や、お茶会、勉強会など、仕事づくり、コミュニティーづくり、生きがいづくりが心のケアにつながり、負の記憶が正の記憶になっていく。被災している人をみると、やっぱり社会的に弱い立場(高齢者・障がい者、女性、子ども、外国人等)の人が多かった。これはすべての人権課題に共通する問題でもある。ボランティアついて、災害ボランティアセンターだけでは受け入れが困難、NPO団体の人手・資金不足、地元団体との連携の強化、長期的に関わることができる環境づくりなどが課題となっている。
【参加者の声】
・被災地支援の活動状況を知るだけではなく、その現状から見えてくる人権の課題を感じることができました。安心安全な暮らしの実現に向けてやるべきことは大きく、これからも向き合っていかなくてはいけないと思いました。
・災害等の混乱時には特に社会的弱者(高齢者、障がい者、子ども、妊婦、女性、外国人など)の人権に配慮した行動が求められることを再認識しました。助け合い、お互い様の気持ちを日々の生活の中でも大切にしたいと思いました。
・「話を聴く」のもボランティア。その通りだと思いました。「ハチドリのひとしずく(小さな事でも、今、自分にできる事を積み重ねていく)」ですね。