12月13日(土)に「だれもの人権が尊重され、自分らしく生き生きとくらせるまちづくり」をテーマに、第27回丹波篠山市人権・同和教育研究大会を開催した。

基調講演では「ネット上の問題から考える人権・部落問題の基礎基本」と題し、松村元樹さん(公益財団法人反差別・人権研究所みえ 常務理事兼事務局長)にご講演いただいた。
インターネットが普及した現代社会において、あらたな形の部落差別がおきている事例をあげて、差別が増長する仕組みをお話いただいた。
ネットの動画サイトなどでは自分の興味がある動画がおすすめとして優先的に紹介されるシステムになっている。こうしたネットのシステムにより、個々の利用者は望む・望まないにもかかわらず見たい情報にかこまれ、利用者の観点に合わない情報からは隔離される。
自分と異なる意見に触れる機会が減ることにより、間違った情報や倫理観に問題がある情報であっても、自分の考えが「正しい」と思い込んでしまう。
その結果、ネット上にあふれる差別動画を正しく理解することができず、悪意なく差別を助長することもある。

社会の構造や制度が多数派(マジョリティー)にむけて設計されているために、多数派側の人たちは人権保障を何も感じることなく自然と受け入れており、人権への学びに関して無関心になりやすい。ゆえに常に少数派(マイノリティー)の視点から考えなければ差別は無くならない。
差別を残す方法は、何もしないことである。差別を無くすためには、まずは身近にあるあらゆる人権課題を自分事として考え、積極的に学び続けることが大切である。